2012年10月22日月曜日

ネタバレありのギャバン感想

ネタバレ注意

以下、宇宙刑事ギャバン THE MOVIEのネタバレありの感想。

冒頭からイジリー岡田とザン・バルドに襲われるヒロイン。そこに颯爽と登場した蒸着済みギャバンの正体は、生きていて欲しいけれど、生きているはずが無い彼? …うん、掴みはOKだった。

視聴者にはバレバレだけど話の中では確証に欠けるという、こんな美味しいシチュエーションをわざわざ作ったのに、なぜ引っ張らない? 歴代のの宇宙刑事達は、地球人としての日常は日常のまま、正体を隠して戦っていた(その結果が月給3,000円だったりもしたが)のだから、今回も正体を隠して戦っても不自然なことはあるまい。ベタベタ王道のすれ違いネタだっていくらでもできただろう。それなのに、あんなにあっさりと正体を明かしてしまうなんて。もったいないお化けが出るぞ。

名前だけとは言え小次郎さんが出てきたのは嬉しかった。シャリバン後半あたりの「お巡りさん、この人です」と紙一重な危ないオジサン状態から、まさかの大出世。30年の間にUFO関連の本が馬鹿売れして研究所のスポンサーになったとか、そんな感じだろうか? 欲を言えば、少しだけでも本人に登場して欲しかった。爆発した研究所を見て落ち込む小次郎さんと、それを明るく励ます烈ちゃんなんて1シーンがあるだけでも、オッサン達は大喜びだったのに。

落ち込む撃を立ち直らせるための昭和の体罰はなぁ。あんな格ゲーのハメ殺しのような一方的な暴力は、烈のキャラクターとは合わない。むしろ撃の八つ当たりを受け切った上で、パンチ1発で喝を入れるくらいの器の大きさを見せて欲しかった。

マクー空間のアクションはいい感じだった。話の都合で見られなかった三の線が、ようやくここで見られたのも良し。細かいことを気にせず、年齢によっては細かいことが分からずとも楽しめるアクションこそ、ギャバンの魅力と言っても過言ではあるまい。そこをきちんと押さえてくれたのは良かった。…と言うか、映画の半分がマクー空間でも、全年齢層が満足したに違いない。

最後の戦いは、せっかく出てきたシャリバンとシャイダーの存在感が薄すぎ。シャリバン継承の話で少しくらい初代の出番がないかと淡い期待を抱いていたら、そもそも2代目すらろくに出番がないとは。無理矢理衣月を絡ませたのも微妙。素直にドンホラーを倒して遠矢を取り戻し、地球の衣月の元へ連れ帰れば良かっただろうに。

総じて、2代目周辺の話で独自色を出そうとしすぎた印象。基本的にアクションで心を掴みつつ、所々でオッサン達のツボを突いていれば間違いは無かっただろうに。烈目当てのオッサン達だって、アクションで魅せられれば「撃もいいな」と素直に受け入れたのではないか。

マクー空間で烈の跡継ぎの片鱗を見せた撃と、女宇宙刑事の変装=眼鏡という常識を珍コーデで覆したシェリー。せっかくいいキャラクターが育ちそうなのだから、このまま終わりにはして欲しくないなぁ。

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