2012年10月19日金曜日

Wii U GamePadの無線映像転送

公式サイトの社長が訊くを読んで知ったのだが、Wii Uの無線映像転送は圧縮してるのか。てっきり非圧縮、言うなればDSの上下を繋ぐフレキシブルケーブルを無線化しただけみたいなもので、まあ無線の帯域確保だけは頑張った結果があのくらいの画面サイズなんだろうと思っていた。

さて、圧縮するとなると、話は急に複雑になる。

話を読んだ限りでは、このために専用の映像符号化方式を開発したようだ。当然、最優先の要件は低遅延だろうが、これはかなり難しかっただろう。符号化~通信~複号のパイプラインの処理単位を従来より処理小分けにするのはもちろんだが、圧縮データのレート制御も大変だったはずだ。

…と言うのも、どんなに複雑な絵や突然のシーンチェンジであっても、フレーム単位で絶対に死守しなければならないデータ量があるからだ。もし上手く圧縮できずにデータが膨らんで、無線転送に1/60秒以上の時間がかかってしまったら、それだけで1フレーム遅延は破たんしてしまう。

その上で、当然ながらエンコードそのものの遅延も抑えなければならない。何パスもかけてレート調整したいところだが、時間は限られている。要するにレートと時間、2つのデッドラインに板挟みの状態で、自然画ではなく何でもありのゲーム画面と戦わなければならないのだ。

割と近い分野にいる技術屋の端くれとしては、感嘆すると同時に、自分が関わっていないことを少し悔しくも思う。

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