2012年8月1日水曜日

文楽の価値

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いきなり全額カットは乱暴すぎるだろうというのは素直に同意。 もう少し踏み込んで考えたいのは、古いものを特別扱いする根拠について。

特別に扱うだけの文楽の価値とは何だろうか? ファン層の薄さも含めて、正直言って即物的価値は乏しいと思う。 下品な言い方をしてしまうと、あまり金にならない。 上手くアピールすれば、外国人観光客を呼べるかもしれないくらいかな。 では、その価値はやはり古さに宿っているのか?

思うに、古さはあくまで副産物で、それよりも長く続いていることにこそ大きな価値があるのだ。

単に種を存続させる、同種の個体の存在を維持し続けるだけなら、ミミズでもバッタでもできている。 しかし、個体の寿命を遥かに超えた文化を産み出すことができる種は、この地上にはヒトの他にいまい。

文化的遺伝子という概念があるが、長く続いた文化には何かしら長寿の秘訣たる遺伝子が組み込まれているのではないだろうか。 それを何ら活用しようともせず、短絡的に捨ててしまうなどということは、ただ空腹を満たすためだけに氷漬けのマンモスを食べてしまうレベルの愚行だと思う。

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