五反田タイガー 11th Stage ペインティング・バーレスク〜天使がいた場所〜を観劇してきた。
今日で無事全公演を終えたので、以下ネタバレを一切気にしない感想。
主人公・朱音はペインティング・バーレスクというショーパブの雑用係。ああ、最下層からスターに成り上がっていく話なのだろうと思って見ていたら、全然違った。朱音は実は疫病神で、人を不幸にするのが本分。それが、行き倒れているところを店のスターであるモンローに拾われ、店で働くようになる。そして、家族同然となった店の人々を不幸にしたくないと願うも、様々な不幸が訪れてしまい、最後は身を引く。…という話。
その最後の朱音の去り方は切なかった。疫病神であることをカミングアウトして去ろうとするも、あまりに突拍子もない話なので、疫病神を探していた天使であるカターシャと、たまたま知ってしまったサリーナ以外は「?」が浮かんだ状態のまま、朱音は消えてしまう。それも単に目の前からいなくなるのではなく、時間軸を巻き戻し朱音がいなかったことにしてやり直すという厳しい処置。…とは言え、モンローの病を含めて、訪れてしまった様々な不幸をリセットしようと思ったら、これしかなかったのかも。天使経由で下された処置だと思って見ていたけど、朱音自身の望みだったのかも。
そんな最後まで見た上で振り返ると、サリーナの存在がなるほどと思えてくる。冒頭で新人の雑用係、朱音の後輩として登場したサリーナは、話の都合上たまたま朱音の秘密を知ってしまうだけの役であって、雑用係というポジションを被せなくてもいいんじゃないかとも思ったけれど、朱音がいない世界での雑用係だったわけか。懐が厳しいのに何故かレーモンドが新たな雑用係を雇ったところから、既に修正は始まっていたのかもしれない。
さて、朱音は様々な不幸の原因を全て背負い込んだわけだけど、劇中の不幸が全て疫病神の力によるものだったかと言うと、そんなことはなかったと思う。まず楽屋泥棒は200%ナターシャが悪いw 多くのキャストがライバル店に引き抜かれてしまったのは微妙なところ。店の経営がじわじわと厳しくなっていったのは疫病神パワーかもしれないけど、運転資金を競馬で溶かしたのは100%レーモンドが悪いw ただ、何よりもどうにかしたいモンローの病こそ、同居していた朱音が引き寄せた厄だったのだろう。あとは、クラウディアの魔法のカードの源泉が枯れたのも疫病神パワーだったのかなw
そんなモンローの病を含めて、不幸にしたくなかった人達の不幸を(おそらく)回避できたのだから、朱音にとってもバッドエンドではなかったと思いたい。
0 件のコメント:
コメントを投稿