舞台・ぼくらの七日間戦争を観劇してきた。
まず、端的に言って凄く良かった。見終わってすぐにDVDを予約したくらい。今日で千秋楽なので、以下ネタバレは気にしない感想。
開幕時の時代設定は2000年。教師となった菊地が現代の生徒間の繋がりのなさを見て、1985年の戦いを振り返るという形で話は進む。この時点で既に22年も昔の話なんだけどね。生徒から取り上げた携帯電話が折り畳めないガラケーというのが2000年らしい。いや、もしかしたらPHSだったのかも。
戦争帰りの老人や全共闘世代の親がいたりする以上、戦いの舞台が198X年という設定を変えるのは無理。そして2022年という設定にしたら、役者さん達が中学生役と50歳前後の役を兼任することになってしまう。そのあたりを考えて、1985年の中学3年生と2000年の29〜30歳としたのだろう。なお、原作は中学1年生という設定だったようだけど、年齢設定に関しては半年前までランドセルを背負っていたというより、受験を控えた中学3年生という舞台版の方がベターだと思う。
さて、劇中の彼らより下の世代である自分としては、上の世代の悪い話を聞いたことはあっても、荒んだ学校というのは幸いにして体験していない。年齢だけではなく、地域による違いもありそうだけどね。暴力教師が全くいなかったとは言わないけど、飛ばされてたなw 飛ばされた先では大人しくしているという噂だった。そんな、ややズレた世代の大人の目から見て、子供vs大人の子供側に感情移入できるかどうか不安だったのだけれど、これは杞憂だった。子供の言い分が子供らしいなと思うことはありながらも、それ以上に悪い大人達が分かりやすくヘイトを集めてくれる。なので、大人の目からも大人の敗北を気持ちよく見ていられた。
子供側も子供側で、決して一方的な正義を振りかざすわけではなく、きちんと悪いことをしていると自覚した上で、毒を以て毒を制しようとしているところが良かった。決して根が善人だと思ってはいないクリーニング屋芸能レポーターと共生関係を築く強かさとか、大人にとって重要なスキルだよなぁ。
そんな中でも、悪くない大人がいてくれるのは救いでもある。悪くない大人ほど、社会では弱者だったりするんだけどね、ホームレスの瀬川さんを筆頭に。今振り返って、バブル真っ只中の時代に本流に乗っていた人達が正しかったかと考えてみると、なんとも微妙なところではある。リアルでガキだった当時は考えたこともなかったけど。
今更ながら、映画の方も履修してみよう。宮沢りえと戦車とTMNくらいのボンヤリとしたイメージしかなかったけど、気になってきた。
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