疫病で動くに動けなかった頃には強制貯蓄なんてものが積み上がっていて、それが解き放たれれば経済が回復するとかなんとか言われていた時期もあったけど…。
あの頃、金が回らずに滞っていたのは間違いない事実だろう。なにせ、監視して収奪する側がそう言っていたのだからな。自分のところに金が回って来なくて苦しんだ人は、強制貯蓄なんてどこの世界の話だと思うかもしれないけど、その苦しみは誰かの懐に蓄えられていたのだよ。市場が荒れに荒れていたことも手伝って、富の偏在が進んだことで貯蓄率の平均が押し上げられたのだろう。
今更そんなことを言い出したのは、実は今も強制貯蓄が続いているのではないかと思ったから。その正体が富の偏在だったならば、疫病の影響が薄れた今でも続いているのは間違いない。
貧富の差が拡大しようと、金持ちが気前良く消費してくれれば金は回るというのは、おそらく正しくない。他人の100倍稼いだところで、自由に使える時間が100倍になるはずもなし。凡人にできる贅沢なんて案外低い天井で頭打ちになる。消費しきれなかった金は滞り、更なる偏在を引き起こす。
そんなハイレベルな話でなくとも、高給取りでも何でもない自分ですら、もはや土日だけでは全く消費しきれないからなぁ。時間と体力の方が制約として厳しい。
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