もし殺されなかったとしても、3770万円しか稼げなかったと?
こちらのサイトによると、逸失利益というのは単純に(見込み年収)×(見込み勤続年数)ではなく、生きていたらかかっていたはずの生活費を差し引いたり、働いて稼いでいたら10年後20年後に得られていたはずの収入をまとめて先取りすることで得られる利息を差し引いたりするらしい。特に後者の補正がかなり実態と乖離している印象。現在は法定利率3%で計算しているらしいけど、そんなに安定して+3%の運用ができたら大したものだろう。それでもまだ昔よりはマシになったようで、2020年3月31日以前の交通事故だと5%だそうな。件の難聴11歳女児が殺された事故はこの5%の時期に起きたので、ライプニッツ係数とやらから逸失利益は約12.4年分と算出される模様。そんなアホな。
しかしまあ、基礎収入の算出は難しいな。今どき、聴覚障害を補って余りある能力があれば人並み以上に稼ぐことは十分可能だろう。それこそ、テキストベースのコミュニケーションで進めるリモートワークなら、何の障害にもならない。ただ、そんな「例外」が昔よりは生まれやすくなったというだけであって、正直言って、不利なことには変わりない。「たられば」の話の評価なんてどうやっても荒れる気しかしないけど、それでもどうにか妥当性が高い評価をしようとしたら、現実問題として不利であることを加味せざるを得ないだろう。
法定利率は(3%に改定されてもなお)あまりにおかしいと思うけど、基礎収入はまずまず妥当か、むしろ被害者側にやや厚い算定な気がする。殺された我が子を貶められるのは本当に辛いだろうけど、逸失利益とは別枠の慰謝料として請求すべきだろう。
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