2012年8月3日金曜日

文楽とパトロン

長く続いた文楽を無造作に捨てるなんて、旬な言い方をするなら「それを すてるなんてとんでもない!」というのが前回の話。しかし、だから大阪市が全力で支えるべきだと言われたら、それはそれで違和感を覚える。

明らかに否定する気満々で観劇するのも、公の判断に私情を挟んでいるように見えるのもどうかとは思う。ただ、好きではないことはヒシヒシと伝わった。そう、嫌がる者から無理矢理金を引き出そうとする空気が気持ち悪いのだ。建前では「募金をするもしないも自由」と言いながら、するのが当たり前でしない奴は人でなしという雰囲気を作られたときの不快感。丁度あれに似ている。

だから、まずは支えたいと思う人達だけの力で支えることを考えるべきだと思う。純粋なファンだけでなく、名を売りたがっている企業や個人もしたたかに活用して。そうなれば必然的に、文楽の外の世界との文化的な交雑も増えよう。 大事に動態保存してきた古典の希少価値を否定する気はないけれど、それでもやはり文化的遺伝子は使ってなんぼのものだと思うから。

現実的にはやはり、段階的に金銭的補助を削減しながら自立を促すのが、妥当な落とし所かなぁ。

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